Q1. 現在の仕事の内容を教えてください。
技術開発部は、主に4つの業務を担当しています。まず、土木工事の施工性・効率性・安全性を向上させ、他社と差別化できるような新工法の開発。次に、情報化施工の推進に伴う、現場の施工支援システムの開発。3つめは、特許に関する事務。そして、自社技術を広報する業務があります。新工法や施工支援システムの開発は、複数年にわたります。社会の動向から、将来的に課題が発生することを予測して、技術開発のヒントにすることがあります。港のさん橋を耐震補強する、当社独自の「Re-Pier工法」もその1つです。
Q2. 仕事の魅力ややりがいとは?
「Re-Pier工法」は、さん橋を支える海中の杭に、特殊な部材を設置して補強するという工法です。東日本大震災で被災した、宮城県塩竃市にあるさん橋の復旧工事で採用されました。
この工法のアイデアは私が20代のころに着想しました。当時在籍していた大阪支店では、空港建設のための土砂を船で運搬する案件を受注しており、その工事で専用に設けたさん橋の強度を高める補強が必要になりました。すでに完成したさん橋をどう補強するか、当時検討したアイデアのなかに「Re-Pier工法」の基となる技術がありました。
それから約10年後、そのアイデアが形になります。高度経済成長期に造られた公共施設の老朽化が進み、各地のさん橋も補強して使用し続けたいというニーズが必ずあると考えて、新工法の開発を再開しました。塩竃のさん橋で初めて施工した「Re-Pier工法」は、優れた技術が評価されて国土交通大臣が表彰する「国土技術開発賞」の優秀賞を受賞し、関係者と力を合わせて作り上げた印象深い仕事になりました。
Q3. 人とのコミュニケーションで心掛けていることはありますか?
技術開発は協力会社と連携して行っています。中でも施工支援システムの開発の際は、まず私がアイデアを絵や文章にして書き起こし、協力会社に現場でどのように使われるのものかを理解してもらった上で進行するようにしています。そこまでしなくても協力会社もプロですので、色々工夫をして提案してくれますが、工事の流れを考慮すると却ってシステムが使いにくくなってしまうケースもあります。特に画面のデザインは使い勝手に大きく影響するので、まず私がデザイン案を作成して明確に提示することで、無駄なやりとりや手戻りが発生しないように心がけています。
また、普段の連絡はメールで済んでしまうことが多いですが、大事な内容の場合は追加で電話して補足説明するなど、丁寧なやりとりを心がけています。
Q4. 吉原さんから見た、あおみ建設の魅力はなんですか?
建設業界の先輩から、「紳士的な会社」と言われたことがあります。確かに真面目な人が多いと思います。実直に仕事に取り組む社員が多い会社と言えるのではないでしょうか。一方で、お酒好きな人が多い印象。お酒にまつわる武勇伝を持っている人もいるかもしれませんね。
Q5. 将来の目標や夢を教えてください。
近年、建設業界では作業効率の向上が進み、なかでもロボット化、無人化に向けての技術の進歩が強く求められています。こうした無人化施工も、私の得意分野と言えるITを駆使して実現させたいと考えています。今後も、不可能を可能にする革新的な技術や工法を開発して、当社の繁栄に、そして社会に貢献していきたいですね。
1日のスケジュール
8:00 沖縄へ飛行機で出張。(ある出張時の1日)
11:00 沖縄到着
レンタカーを借りて移動手段を確保します。
12:00 昼食
各地の食事は出張の楽しみです。
13:00 打ち合わせ
取引業者と綿密に行います。
16:00 沖縄支店へ移動
業者との打ち合わせ内容の報告や、社内での打ち合わせ
17:00 ホテルにチェックイン
荷物を置いて身軽になります。
18:00 社内のメンバーで懇親会。
楽しい時間が始まります。
【私のOFF TIME】
私は多趣味な方だと思います。カメラが好きですし、スキューバダイビングのライセンスも持っています。いま熱中しているのはヘッドホンアンプ製作。スマホで再生する音楽もヘッドホンアンプを通すと、いままで聞こえなかった音が聞こえてきます。またアウトドアも好きで、家族とキャンプに行ったり、釣りに行ったりしています。休日が忙しいですよ。
【学生の皆さんにMESSAGE】
仕事でも趣味でも、自分が持っている専門的な知識やスキルは多い方がいいと思います。1つのことを頑張るのも大事だけれども、いろんなことに目を向けた方が良いですね。社会の変化に対応できる人材になるためには、広い視野を持って勉強することが大切。そういう努力は、周りの誰かが見ていて、あなたの力になってくれるはずです。