早坂浩太郎
東北支店 土木部長として、東北地域の多くの震災復旧工事を統括。現在は、本社の土木事業本部 土木部長。
澁谷浩平
自ら希望して東北支店に配属。東北地域の5現場の施工管理に携わり、現在も復旧工事を担当。 「自分の出身地方である東北のために、できる限りのことをしたいという気持ちで臨みました」
安田弘希
2013年4月に入社し東北支店に配属。名取川などの現場を担当。現在、本社の土木事業本部 土木技術部所属。 「河川の堤防工事が、自分の最初の現場。安全管理の大切さをはじめ、多くのことをそこで学びました」
東北地域の多くの復旧工事を担う。
あおみ建設は、東日本大震災の東北地域の復旧工事において、数々のプロジェクトに参画。携わった現場は、観光さん橋、海岸の防波堤、河川の堤防などさまざまです。これら復旧工事は、東北支店が担当。工事を統括した早坂のもと、自ら東北支店の配属を希望した渋谷、新入社員の安田など社員たちは、現場それぞれの課題に取り組み、工事の完成へ力を尽くしました。
「3つの課題」に直面した、塩釜の観光さん橋復旧工事。
一連の工事の中で、あおみ建設の技術力が表れたのが、宮城県塩釜市にある観光さん橋の復旧工事。この観光さん橋は、美しい島々が点在する日本三景「松島」の玄関口。地震によって地盤が沈下したため、船が接岸する床面を所定の高さまでかさ上げし、舗装などの整備をするという工事でした。このプロジェクトには、「供用中の施工であること」、「工期に余裕がない」、「設計図が残っていない」という3つの課題がありました。
船が発着し、多くの人が通る環境下での工事。
観光さん橋では、島々への定期便や遊覧船が日常的に運行。さらに土産店や飲食店が軒を連ねるターミナルビルが設けられており、多くの観光客が行き来しています。そのため、船の発着や人の通行の妨げにならないように、約300mの施工区間を3分割して、1工区ずつ施工する工程を立案。観光さん橋の供用に影響を与えることなく、工事を進めることができました。
「多くの現場と異なり、工事を一気に進められない。観光さん橋の利用者に配慮し、綿密な計画を立てて施工しました」(澁谷)。
工事を早く終わらせるための、「工夫」が必要。
この工事では、工期に余裕がなかったため、当社独自の工法が採用されました。それが「Re-Pier工法」です。
さん橋の床は、海底に打たれた多くの杭で支えられています。上部の床にコンクリートを重ねると荷重がかかるため、杭の補強が必要な場合があります。
Re-Pier工法は、上部の床を取り外さずに、水中で杭に特殊な部材を設置して剛性を高めるというもの。この工法の活用により、効率的に補強作業が進み、工期を短縮することができました。
Re-pier工法は、その効果が評価され、2017年に「国土技術開発賞」の優秀賞を受賞しました。
設計図が残っていない。手探りでの施工。
新築工事と異なり、既存の構造物の改修工事には、特有の難しさがあります。20年以上の歩みを持つ観光さん橋には、建設当時の設計図が残っていませんでした。
そのため施工を進めるなかで、予想もしない多くの課題が発生。その都度対策を提案し、解決してきました。
塩釜観光さん橋復旧工事は、工期の遅れや事故もなく、2019年8月末に竣工。東北の復興復旧に向けたあおみ建設の取り組みは、これからも続きます。
「私たちのいくつもの提案を受け入れていただき、発注者様からの信頼、仕事への誇りを感じられた現場でした」(早坂)
【工事を振り返って。3人のメッセージ。】
モノづくりの醍醐味。 早坂浩太郎
現場の担当者が、本当に頑張ってくれました。人が一つに結集したときの力は凄い。現場では多くの課題が生じますが、みんなで悩みながら乗り越えるのも、モノづくりの楽しさです。ぜひ若い人に、この仕事の面白さを知っていただきたいと思います。
人のつながりを大事に。 澁谷浩平
弱音を吐かずに頑張ってくれた部下や協力会社など、多くの人に恵まれました。今後も人のつながりを大切に、自分を研鑽していきたいですね。そして土木の仕事を志す熱い心を持った若い人と、一緒に仕事をしたいと思っています。
現場が成長させてくれた。 安田弘希
現在の仕事はデスクワークですが、やはり現場を知ることは重要。東北の現場を経験して、自分が成長できたと思います。私もいつか現場に戻る日が来るかもしれません。このサイトを読んでいる皆さんと、一緒に働けたらうれしいですね。
この3人の社員インタビューはこちらから!
Re-Pier工法
(伸縮式ストラット)
港湾施設の耐震化・老朽化・船舶の大型化対応に対し、施設を供用しながら短工期、低コストで施工可能な工法です。
西ふ頭観光さん橋外災害復旧工事
宮城県 塩竈市
名取川閖上4工区堤防災害復旧工事
宮城県 名取市